目次
串本大島のカセ釣りの「最強ターゲット」と言えば、大型の「ブリ」と思う人が多いかもです。
いや、実際、ブリも10キロクラスになれば、そりゃかなりのものですが、「最強」の称号を得るには、かなり足りないです。
実際、「串本の湾内には何がいるか解らん」ので、何が最強か?って言うと、難しいモノもあります。
(150キロのサメが入ってくることだって可能性はゼロじゃないし・・・笑)
脱走のマグロやクエが最強かって言ったら、規制があったり個体数が少なかったりなので、実際の所、狙って釣るのは難しいモノでもあるし、「釣り」として成立し、尚かつ「狙って釣れる最強レベル」と言うと、「大型のイズスミ(イスズミ)」だと、僕は思います。
串本のカセで釣れるイズスミの特徴
串本のカセで釣れるイズスミは最大の特徴としては、とにかくデカいです。
イズスミは、離島の釣りなどで、尾長グレ釣りの外道として定番の魚ですが、どうだろう、動画とかでちらほら拝見することは良くありますが、普通で2、3キロ、少し大きなもので3キロから4キロくらいに見えますが、外洋の瀬に付いている個体って、そんなものなんでしょうか。
5キロレベルと言うと、ほとんど見たことが無いです。離島の尾長釣りに通っている人でも、釣ったことがない人がほとんどだと思いますが、違うだろうか・・・
イズスミって下魚扱いされるので、「切られても惜しくない」と強がる人も多いですが、3キロくらいの個体でも、釣れたら「すごかった・・・」って、なぜか喜ばれる事が多い不思議な魚です。
いや、そのパンチ力は、とにかくすごいんですよ。
釣りあげたら、ある種の達成感を感じるのは当たり前です。素直に、デカいんだから、ゴツイ仕掛け勝負して、勝ったら喜べばイイんです。笑
ちなみに、
2、3キロ(約50㎝から60㎝)くらいの個体は、尾長グレの道具の延長くらいで勝負ができますが、イズスミは「5キロを超えると世界が変わる」と思ってもらって良いです。
引きの強さは、3倍くらいに跳ね上がるし、口は刃こぼれしたニッパのような形状になるので、3号くらいのハリスだと触れただけで飛んでいくし、グレ針の8号とか、そんなしょぼい針で掛けても、折られる可能性大でしょうね。
いや、本当に「バケモノ」と言う表現がピッタリだと思います。笑
大型化するのは、「ノトイスズミ」
イズスミには種類があって、串本のカセで釣れる巨大イズスミは、ほぼ100パーセント「ノトイスズミ」と言われる種類です。
ネットに出てくる魚図鑑等で調べると、「ノトイスズミは、大きいモノで45㎝から50㎝」になってますが、これは、ノトイスズミの事を知らなさすぎます。(見ていて、こっちが恥ずかしくなるレベルです・・・笑)
実際、僕の最高記録は、7.9キロ(76㎝)だし、これが釣れた2016年には、この個体を凌ぐデカ版が泳いでいるのが見えてましたからね。「イルカみたいなヤツ」と、当時の僕は、これを表現してました。
とにかく、残りの釣り人生の全てを掛けても惜しくないと思えるレベルのマニアックなターゲットだし、取り込みの難度も超Sランク(Aランクの上)と言っても良いとも思います。
巨大ノトイスズミの釣りのレベルは、ブリ釣りくらいでは比較にならないです。比較するなら、10キロくらいのビンタ(キハダマグロの幼魚)くらいが近いと思います。
食味は大したことが無いレベル
南紀界隈では、イズスミを食す文化があって、代表的な料理は「たきたき」と呼ばれる、「イズスミのすき焼き」があります。
たきたきに関しては、「美味しい」と言う人が多いので、僕も何度も食べてますが、イズスミが釣れるときは、グレや小クエが釣れたりするので、そっちの方が美味しいと言うか・・・
グレも小クエも、養殖のエサのコボレを食って、脂の乗りがピカイチなので、美味しすぎるんですよ。笑
大島のイズスミも、小割のエサに付いているし、悪くないは無いんですが、そういう美味しい魚と比較すると、「ちょっと落ちる」と言うくらいです。笑
特筆すべきは、「身持ちの良さ」と言うか、さばくと解るんですが、身の中の繊維がシッカリしているので、煮込んでも煮崩れしにくいわけです。「たきたき」って言うのは、文字通り、煮込んだイズスミの身をもう一度すき焼き風に煮込むわけ(だから「たき、たき」)ですが、二回炊いても崩れないから、この料理が出来たと思えるし、そういう全身筋肉質の魚だから、引きもスーパー強いわけです。
また、イズスミは、身自体に味が濃いわけではないというか、旨味があるわけではなく、非常にアッサリとしてます。
ニオイは血に臭みがありますが、これはキチっと血抜きをすれば、全然感じないし、身と皮の間の脂にも独特の臭いがあるわけですが、この脂が、牛蒡(ごぼう)と白ネギと一緒に炊き込むと、旨味に変わると言う、ちょっと驚きの魚と料理法が「イズスミのたきたき鍋」なんですね。
尚、イスズミのすき焼き(たきたき鍋)に関しては、レシピや魅力を紹介してるブログがあります。以下にリンクを掲載しておきます。参考にされると良いです。
参考ブログ:超美味!磯魚イズスミのタキタキ | 自然派で行こう
釣り方はドシンプル
大イズスミの釣り方自体は、めちゃくちゃシンプルです。
単純ですが、イワシエサのフカセ釣りの普通の仕掛けでOKですが、ゴツい道具を持ち込むのがキモで、磯竿の3号くらいだと、外道を含めて、猛烈にパンチのあるヤツばかりが釣れる時期でもあるので、パキパキへし折られたりします。笑
釣期は平均的に梅雨明けから9月頃までで、この時期に大島港周辺の小割の網に付きます。夏場が産卵の時期と見えて、抱卵した雌がいますが、これが一番釣りたいターゲットです。
イワシエサのフカセ釣りで釣る
夏場のイワシエサの釣りと言う事で、エサ取りがめちゃくちゃ多い時期の釣りです。
小アジや小鯖は湧きだすと、「すくえるレベル」で湧きだしますが、こういう小魚がトップでお祭り状態になると、それにつられて、水深3mから5mくらいの所に姿を現すのがパターンで、このエサ取りの猛攻をかわして、どうやってタナまでサシエを運ぶかがキモになります。
釣り方に関しては、別項で詳述解説しますが、当たったら、その瞬間に、竿は曲がるところまで曲がるし、ロープや小割の網に向かって一直線で突貫していくし、浮かしてもタモの網を見たらまた突っ込んでいくしで、とにかく、このモンスターは、取り込みに至るまでが超難しいです。
釣り方はシンプルでも、取り込みは超難解といところが、たまらないターゲットでもあります。
道具はキハダ用が良い
串本大島のカセ釣りでのイワシエサのフカセ釣りは、メインターゲットはブリ、メジロと言って良いでしょう。
この釣りをやる人は、それなりの青物の道具を持っていると思いますが、イズスミ釣りは、その道具で、十分に勝負は出来ます。
しかし、外道でクエや、潮によってはマグロが当たってきたりもするので、出来れば、ブリ用よりも、ワンランク上げておきたいです。
串本周辺の沖釣りでは、潮岬沖のキハダマグロの釣りがありますが、この釣りでは10号から12号のフロロの通し仕掛けで、オキアミエサの完全フカセの釣りで釣るわけですが、湾内のイズスミ狙いの場合は、出来れば、このキハダ用の道具が理想と言えば理想です。
具体的には、アルファータックルのMPGシリーズなら、2番から3番の硬さが良いし、マニアックに磯竿で釣るのであれば、最低6号で、石鯛竿の使用なども推奨です。
大イズスミが狙えるポイント
大イズスミくらいの個体になれば、外敵もさほどいないとも思うし、マグロの小割の網の横ならどこでも釣れそうな感じはありますが、浅海では、イズスミの釣果はほとんど聞かないです。
実績場は、ズバリ、大島港から権現周辺で、地寄りの小割のそばが良いです。
水谷にもいるとは思いますが、おそらく、専門にやっている人がいないです。専門にやらないと、中々取り込みには至れないので、やれる機会があれば、調査してみたいとは思ってます。
須江はいてもおかしくない条件が揃ってはいますが、今の所、釣果は確認できていません。(感覚的にですが、専門にやれば、須江には、大型があるとは思うんですが・・・)
まとめ
大イズスミは、串本大島のカセ釣りでは最強レベルのターゲットです。
それでなくても、引きが強い上に、小割のエサのコボレを食って、さらに筋肉を増強してますから、掛かってくれば、おおよそで、ヒーヒー言わされます。笑
とにかく釣りとしては、最高に面白い釣りになるので、釣れ始めたら、一度、チャンレンジされると良いと思います。
尚、「5キロクラスは、磯釣りで釣れた話をほとんど聞いたことが無い」と書きましたが、以前、古座の磯に通っていたころに、大箱島の猿の腰掛と言うポイントで6キロのイズスミが出たことがありました。
この記事書きながら思い出したので、最後に付け加えておきます。