グレが釣れないグレ釣りで新しい試み

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この秋、調子を落としている浅海奥のグレ釣りポイントですが、「ナンとかしたいな」と思って、グレ狙いで行ってきました。

このポイントは、2013年から8年間、通うようにしてグレを釣ってきましたが、今年は、全体の実績で見ても、「この8年の中では一番悪い」と言わざるを得ないと思います。いつもは楽々2、30枚釣ってくる常連の名手でも中々20枚に届かないような状況が続いてますからね。

とは言っても、グレは本来「潮を釣る」もの。潮さえ変われば、簡単に釣れてしまうのもグレなので、「イイ潮さえ入れば」と思って、毎回チャレンジするわけですが、今回も、潮には恵まれなかったです。

いや、良潮で出くわす運も実力のうちなので、自分の拙さには閉口といったところですが、「魚が釣れないでも何か持ち帰るのも俺流」なので、今回は、定番的なアプローチ(釣り方)を外して、「ちょっと、変わったことをやってみよう」と思いました。状況が状況だったですかね。

猛烈なエサ取り

浅海奥にも、たくさんのエサ取りがいますが、代表的なものは、小アジだったり小鯖だったりします。この二魚種は梅雨の頃活性が上がって手を焼きますが、9月ともなれば散ってしまって(アジは少し居ますが、サバはほとんどの場合いないです)、木っ端グレやバリコに手を焼くのがここ数年の秋のパターンだったりします。

プラスして、今季は、ハコフグやキタマクラといったフグ系のエサ取りも多く、ここいらのエサ取りは、ハリスのチモトに傷をつけるので、一投一投チモトに注意してサシエを付けるようにしないと、良型が掛かった時にチモトを切られたりします。今期の浅海のグレ釣りは相対的にバラシが多いと思いますが、これなんか一つの原因になっていると、僕は思ってます。

それはさておき、釣行日の2021年9月22日のエサ取りは半端なかったです。今まで、奥のグレ釣りは300釣行くらいしてますが、この経験の中から言っても、「最もエサ取りがひどい一日」だったと思います。

サシエは、ペレットでもアオサでも、海面下5mを超えると秒殺で空針にされる。5mなら見えそうなものですが、姿を確認することはできないし、「磯の上物のアカン時みたい・・・」って感じでした。

こういう場合、仕掛けを軽くするとか、マキエを撒き分けるとかが解決策として思い浮かびますが、「グレの雰囲気も無いし、磯釣りみたいなことをやってみようか」で、ゼロスルスルに仕掛けをチェンジして、やってみることにしました。

スルスル仕掛け。ゼロ負荷のウキを通して、すり鉢型のストッパーでウキが落ちてこないようにするだけ。仕掛けは至って単純だが、この釣りの奥の深さは計り知れない

この釣りは、磯釣り時代には得意としてましたが、「サシエがオキアミとペレットでは落下速度が違うので、磯釣りでの経験はあまり役に立たない」と思ってました。

サシエをアオサにすれば、「似た感じは演出できる」とも思いましたが、「グレがいる」と解っていれば、アオサで全層タイプの釣りもありかなとは思いましたが、グレがいないからこうなっているわけだし、とにかく、ナンでもいいので竿が曲がっている尺が欲しかったので、サシエはペレットをメインで使うことにしました。

タナ2ヒロ半でアイゴがパラパラ

スルスル仕掛け(全層タイプの仕掛け)は、状況や環境によって、色々と細かいところを変化させる必要があります。

カセ釣りという事で、サラシや沈み瀬などもないので、道糸に普通にウキを通すだけ(アッパーラインがナイロン)でも良さそうですが、この日は、右正面からの風で、この風にラインを取られると「少し面倒」と感じました。なので、道糸にハリス(フロロカーボンの2号)を直結にして9mほどセットして、ハリスの中にウキと潮受けクッションをセットしました。こうすることで、アッパーラインが水面下に入るので、風の抵抗を緩和できるという事です。

ただ、アッパーラインにシンカー系のラインを使用すると、仕掛けの張りにシッカリ留意しないと、サシエの自然な落下を演出することができません。アッパーラインが沈み過ぎては、ウキから下のラインを引っ張ってしまうからですね。

ここいらは経験による加減が必要なところですが、「それは難しい」と感じられる人は、ナイロンライン側にウキをセットして、ハリス部分をフロロにする一般的な組み方にして、ハリスにガンダマで調整されても十分とは思います。

ナンせ、グレは居ないし、居ても磯釣りのようなスレッカラシでも無いですからね。元々、縦型の釣りがメインの釣り場だし、ここいらのグレは、極端にオモリを嫌うってこともないので、「まあ、とにかくやってみよう」って感じでした。

仕掛けを変更して開始直後、直ぐに当たってきたのがチヌ。

浅海のチヌしては小さい。ここいらのチヌは50アップで普通。逆言えば、「このサイズを釣る方が難しい」と言える。ただの負け惜しみだが・・・笑

このチヌで、「今日は、グレは無い」とほとんど確信に近いモノを感じたので、どうしようかと思いましたが、適度にアイゴが遊んでくれることに気づきました。

しかも、馴染んで直ぐにバキューンと来るので、「あ、楽しいかも・・・笑」で、「よし、今日はアイゴ釣り!」となりました。

アイゴについて

浅海のアイゴは臭みも無く、食しても非常に美味しいので、ある意味、「値打ちがある」わけですが、この魚は、通常は、「臭いし、トゲが危ない」という事で嫌われモノです。

まあ、磯や波止から釣れるのが一般的で、氷を十分に持ち込めない環境で釣っている人が大半だし、この魚は案外弱いので、邪見に扱ったりすると、直ぐに弱って死んでしまうし、そうなると血が回って、猫マタギの出来上がりになります。そうして、「臭い、美味しくない」となるわけですが、カセ釣りなら、スカリがセット出来るし、氷も十分に持ち込めるので、美味しくするための処理や保存も簡単で可能です。

まあ、大事なことは、「なるべく触らない」ってことだと思います。触るときは、締めて、氷をキチっと利かせて保存するってのを徹底すれば、臭いのは内臓(ゼンマイと言われる腸部分だけ)ですから。

今期の浅海奥は、グレが少なく、アイゴが非常に活発ですが、これは裏を返せば、「アイゴの当たり年」とも言えます。シブカミクラス(40cmオーバー)になれば、引きも強いし、釣り味もそんなに悪くないと思いますから、グレが居ないなと思ったら、ぜひ、アイゴ釣りにチャレンジしてみてくださいね。

2021年9月22日 グレが釣れないグレ釣りで新しい試み

使用タックル

ロッド:BBX SP-SZII 1号、BBX SP-SZ 1.2号、BBX SP-MZ 1.5号
リール:BBX テクニウム 2500、3000、小型両軸リール(カウンター付き)
道糸ハリス:ナイロン3号(ウキフカセ)、ハリス3号、(ゼロスルスルは2号を9m)、フロロカーボン3号通し(ズボフカセ)
針:グレ針6号から7号(ウキフカセ)、伊勢尼9号(ズボフカセ)

サシエ:モイストペレット、アオサ
マキエ:乾燥ペレット

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兼崎 秀治串本大島カセ釣り研究所代表

投稿者プロフィール

串本大島カセ釣り研究所を運営しております、HN海信(本名:兼崎秀治)です。
波止釣り、磯釣りを経て、現在カセ釣りに夢中ですが、12歳から釣りやっているので、釣り歴は40年以上です。

現在後進の色々な人に釣りの魅力を伝えるべく、日夜邁進しております。どうぞよろしくお願いします。

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