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串本のカセのグレ釣りは、基本は「ペレットエサで釣るグレ釣り」であることは、ご存知の方も多いと思います。

一部のマニアからは、「ペレグレ」なんて言われているし、紀伊半島の磯釣りでグレを狙う人の中には、大型グレが釣れる串本大島のカセに足を運んだ人も多いと思います。

ペレットは、確かに、大型グレがたくさん釣れます。実績も凄いです。

しかしながら、串本大島の湾内のグレ釣りは、絶頂期になる梅雨前から夏場にかけて、小サバと小アジが猛烈に凄いエサ取りになることがしばしばです。

マグネットカゴを使って、エサ取りが多発する上層ではサシエを保護して、グレのタナまでペレットのサシエを落とし込むことは、これはこれで有力ですが、アオサを使えば、重く感じるカゴを付けないでも、小サバや子アジのようなエサ取りを回避することができます。

アオサエサによるグレ釣りは、2013年の夏ごろから活発になってきましたが、近年、そのアオサが、串本の湾内では、めちゃ少なくなってきています。

本項では、アオサについて、少し、考えてみましょう。

アオサをついばむグレ

僕が串本大島のカセのグレ釣りに熱を上げていたのは、2013年の7月から2016年の6月の足掛け4年の丸3年間です。

初回の釣行は、2013年の7月2日で、最初は基本通りに、ペレットエサだけを持って、大島フィッシングの浅海奥に足繁く通ってました。

5回目の釣行は、同年同月の18日だったですが、この時、ロープのアオサをついばむ無数のグレを目撃しました。下が、その時の写真です。

グレがロープのアオサをついばんでいる部分をクローズアップします。

大きいモノで45㎝くらいあります。良型がこのように見えてワクワクしました。

この時は、アオサを誰も使ってなかったし、カセの船底にもアオサはたくさん付いてましたから、早速アオサをエサに釣ってみると、48㎝の大型を筆頭に、8枚の良型を揃えることができました

この当時は、浅海のグレ釣りで、アオサをサシエにしていた人は、ほとんど誰もいなかったです。

いや、僕が知らないだけで、他にもアオサでガンガン釣っていた人はいたかも知れないですが、当時、釣果情報に載っているグレを爆釣しているアングラーの使用しているエサは、全員「ペレット」でした。

2016年6月20日、累計1000枚を突破した時の記念写真。「3年」と言うタイムリミットまで残り12日でした

色々と調査してみても、地元の人間ですら「浅海のグレがアオサをついばんでいる光景など見たことも無い」とも言うし、この光景を目撃した僕は、「浅海地区でのアオサのグレ釣りを、ここでのグレ釣りの一種目として確立させることは、僕に課せられたミッション(使命)だ」と感じました。

それ以降、とにかく、「アオサでグレを釣る」と言う事に、こだわって、こだわって、「3年で1000枚のグレを釣る」と言う目標を立て、それを遂行することで、「浅海地区での海苔グレの釣りを一人前に出来る」とも思っていたし、釣りに行けば、アオサでのグレ釣りを誰にでも教えまくったし、ブログにもアオサのグレ釣りに関しては、かなり詳述にコラムも掲載しました。

その甲斐あってか、ここ2、3年の浅海のグレ釣りでは、アオサは、一部のマニアには、無くてはならないエサに育ったと思います。

この件に関しては、僕は、道を切り開くところはやったので、これをさらに大きく、もっともっとマニアックにしてくれる、元気の良い若いアングラーの出現とか、心待ちにしてます。

2016年からアオサが少なくなってきた

さて、僕の釣り自慢は、こんなもんにして・・・笑

1000枚ミッションを完了したのが、2016年の6月ですが、この頃から、串本の湾内のアオサが激減してきました。

この原因ですが、実は全く解らないです。色々な説を検証してみましょう。

仮説1.釣り人がエサとして、取り過ぎた

アオサをサシエにする場合、釣行前に湾内の小割のブイに付いているアオサをむしっていくわけですが、根っこごと取ってしまうし、これが原因で、アオサは育たなくなったのか・・・?

要するに、「乱獲」です。「乱獲のためにエサ資源が回復しなくなった」と言う説。

てんこ盛りの糸アオサ。これがあれば、「あるだけ釣れる」って言うくらいのグレの特効薬。このエサを準備出来たときは、44枚の釣果でした

いや、これは違うと思います。なぜなら2013年から2015年までの湾内のアオサの茂り具合を僕は知っているし、何よりですね・・・

実は、串本の隣町の古座ってところに動鳴気(どめき)漁港があるわけですが、僕は、大島のカセに通う以前は、古座の磯釣りに行っていたし、動鳴気の湾内にも何度も行ってました。動鳴気の湾内って、当時はアオサだらけだったです。

動鳴気のアオサも、2017年には、見事に、全く生えてなかったです。まさか、大島のカセ釣りの客が、動鳴気のアオサを全滅させたとも思えないし、古座のグレは、アオサで釣れるって話も聞いたことが無いです。

要するに、動鳴気のアオサが乱獲なんかされるわけないし、誰も取らないとも思います。

感覚的には、アオサは、串本周辺のグレ釣りでサシエに使うくらいだし、その程度の数の人がむしったくらいで根絶やしになるような、そんなやわな植物でも無いとも思います。

仮説2.黒潮の蛇行で、水温が変化した

海藻類は、水温の影響を受けやすいと言うのは、確かに聞いたことがあります。

このコラムを書いている2019年の4月現在でも、黒潮は蛇行しているし、蛇行による水温変化の影響で、ここ2、3年は、確かに、従来型の季節パターンを外すことも、あるにはあるかも・・・です。

しかし、僕の記憶が正しければ、アオサが少なくなり出したのは、2016年の夏ごろから、今回の黒潮の蛇行が始まったのは、2017年の8月からです。

串本湾内のアオサだけは、1年も前倒しで、黒潮の蛇行の影響を受けるのか?というと、ナンか、これも違う気はします。

ただ、2016年は、まだ釣りをするくらいは、十分に採取できましたが、昨年(2018年)は、もう、全くと言っても良いくらい取れない時期があったので、「黒潮の蛇行で湾内の平均水温が上昇してアオサが少なくなった」と言う説は、当たっているかも・・・です。

仮説3.湾内の水質が変化した

僕は、個人的には、これじゃないか・・・と思います。

浅海奥のグレ釣りでは、1000枚ミッションの時は、アオサで当たれば、9割以上はグレが当たってきましたが、2017年頃から、アイゴがめちゃくちゃ増えてきました。

現在ではアオサは「貴重品」。このくらいあれば、大事に使えば一日やれます

当時は、アイゴが釣れる時は、グレ20枚に付き1枚か2枚くらいだったものが、だんだんアイゴが増えてきて、「アオサで当たれば半分はアイゴ」みたいな日も、昨年は、かなり多かったです。

またミニチュアサイズのアイゴも、異常発生したし、ペレットよりもアオサの方がエサ持ちが悪いなんてタイミングもありました。

ここまでアイゴが湧くのは、水質の変化とか、平均水温の上昇とか、その辺が原因じゃないか・・・とか、思っていたりもします。

浅海奥のグレ釣り場に関しては、浅海波止の沖側で、防災対策の工事もやっているし、これも、なんか関係しているかしら・・・とも思わないでもないですが、工事によって、うるさいからグレは逃げることはあっても、アオサが逃げるとも思えないので、これも、アオサが少なくなる原因になっているか?って言ったら、なってるわけないとも思います。

「湾内の水質が変化したのは何故か?」は、僕にはさっぱり解らないですが、釣り物や釣れ方とか見ていると、まあ、串本の湾内の潮も、日進月歩と言うか、毎年毎年同じってわけでも無ければ、その年の傾向に、こっちから、ある程度、合わせていくのが重要なのかな?とも思います。

今年も、おそらくアオサは少ないです。

キープ出来たら、大事に使ってくださいね。

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兼崎 秀治串本大島カセ釣り研究所代表

投稿者プロフィール

串本大島カセ釣り研究所を運営しております、HN海信(本名:兼崎秀治)です。
波止釣り、磯釣りを経て、現在カセ釣りに夢中ですが、12歳から釣りやっているので、釣り歴は40年以上です。

現在後進の色々な人に釣りの魅力を伝えるべく、日夜邁進しております。どうぞよろしくお願いします。

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