目次
(アイキャッチ画像(上画像)は2021年1月22日の釣果。釣り場速報の取材時のもの、11㎏の大型)
- カセ釣り奮闘記・10年間の串本のカセ釣り(第一章:グレ釣り その1)
- カセ釣り奮闘記・10年間の串本のカセ釣り(第一章:グレ釣り その2)
- カセ釣り奮闘記・10年間の串本のカセ釣り(第一章:グレ釣り その3)
- カセ釣り奮闘記・10年間の串本のカセ釣り(第二章:カセ釣りレッドゾーン その1)
- カセ釣り奮闘記・10年間の串本のカセ釣り(第二章:カセ釣りレッドゾーン その2)(現在位置)
- カセ釣り奮闘記・10年間の串本のカセ釣り(第三章:Youtubeとビジネス展開 その1)
- カセ釣り奮闘記・10年間の串本のカセ釣り(第三章:Youtubeとビジネス展開 その2)
- カセ釣り奮闘記・10年間の串本のカセ釣り(第三章:Youtubeとビジネス展開 その3)
- カセ釣り奮闘記・10年間の串本のカセ釣り(第三章:Youtubeとビジネス展開 その4)
イワシフカセの釣りは、2015年の梅雨からグレ狙いで始まったわけですが、この年の秋から初冬にかけて、権現の沖側(外の浜沖)で同じ釣りでブリメジロが釣れ始めたんです。
最近でこそ、この釣り(イワシフカセの青物釣り)は、最も人気ある釣りとなったわけですが、外の浜沖で釣れだした2015年秋は大島フィッシングくらいしかやってなかったし、愛丸が追従するような感じで客を取ってましたが、他の業者の目立った釣果は無かったと思います。(これより少し前にオーシャン串本がオキアミエサで青物釣りはやってましたが)
「2015年の秋はグレはイマイチだった」(第一章:グレ釣り その3)と書きましたが、実をいうと、この頃、朝のマヅメはイワシフカセで青物を釣って、それが終わって昼からグレ釣りでやっていたので、「グレはイマイチだった」というわけです。笑
いや、潮によってはメジロやブリがバカスカ釣れるわけですからね。グレも釣りたいけど、青物もと思うのは、こりゃ仕方ないです。
これ以降、秋冬の串本のカセ釣りはイワシフカセの青物釣りをボチボチとやるようになるんですが、まあ、この2年後くらいからですからね、「青物フィーバー」が始まります。
青物フィーバー
記録では、2016年の秋は前年に調子が良かった権現沖では青物はほとんど気配が無くて、この年は、浅海中(35mポイント付近)でちょっとした青物ラッシュがありました。
この時、僕は、走り(その季節の食いはじめ)のタイミングに出くわしたので、初めて青物のサイトフィッシング(タナ5mくらいで食ってくるヤツ)をやったわけですが、気持ちが焦って思い通りに体は動けないし、すったもんだしたことだけを覚えてます。笑
また、この頃の青物釣りと言えば、秋口に浦見の掛かりで3、4キロのサイズで入れ食いが普通でしたが、フカセで釣るよりカモシ(天秤フカセ)でやるのが主流で、まあ、船釣りスタイルの釣りだったですね。
浅海地区でモリモリ青物が釣れだすのは、2019年の冬からで、養殖マグロの小割の増設とタイミング的には並行していたように思います。
同じタイミングから須江や浦見でも青物に関しては絶好調のような状態が続き、串本のカセ釣りは全域で、他では類を見ないような青物フィーバー状態になっていくわけです。
潮的には、黒潮の蛇行が始まって2年から3年後で蛇行前に比べて水質の違いが顕著になってきて、釣り物や釣り方も少し変わってきたかなと感じていたタイミングでした。また、状況的には、マグロの小割の増設が盛んになり、それらがブリ、メジロの個体数の急激な増加に一役買ったんじゃないかと僕は思ってます。
とにかく、通しのラインに針一本というシンプルな仕掛け、釣り方で、良型青物が狙えるし、上手く釣れば入れ食い状態に出来るという事で、この釣りを徹底的に調べる必要があるとは思いました。
数を釣らなきゃ見えないもの
イワシフカセの青物釣りは、やり始めた当初、僕は、「すごく簡単な釣り」と感じてました。
確かに、青物なので、掛かれば大暴れで走り回るわけですが、口の形状が針を飲み込んでも切られる形状では無いし、むしろ、飲み込ませてしまえば引きも若干弱くなって取りやすくなるというのは、直ぐに気づいてました。
ただ、4、50本釣ったくらいで「簡単やん」といった所で、そのくらいの数では、見えてない部分の方が圧倒的に多いわけで、とにかく、「数を釣って色々な試行錯誤が絶対必要」とは思ってました。
まあ、「数をやらなきゃ」と僕が言えば、「また1000本ナン?」と、僕を知っている人はいうわけですが、「メジロの1000は勘弁してほしい」が本音でしたね。笑
試行錯誤として試したのは、ラインの太さ(40号まで試した)、針の大きさ(24号まで試した)、サシエの形状と付け方、マキエの形状(潰すか潰さないか)、オモリの有無と付ける位置、ロッドキーパーの適切な装着方法など、色々な事を試しながらアプローチの精度をあげ、「余計な事」になっている贅肉はドンドン落としていきました。
使用ロッドは、僕のポリシーからして「磯竿は外せない」ので、メインロッドは、がまかつのパワースペシャルの5号、6号、サブのロッドで青物用船竿を持ち込んで、これで、飲ませ釣りや天秤フカセのような大きなオモリを使用する釣りにも対応できるようにしました。
青物狂騒曲
須江でカセ釣りが盛んになったのは、2017年(冬)からだったと思いますが、同所は養殖マグロの小割の数も多く、この海域のブリ、メジロの異常なまでの生息数(量)は、同業者の間では知らない人は居なかったと思います。
2017年当時(秋冬)は、浅海は(イワシエサの釣りを)「やれば釣れるんじゃないか」という程度、浦見では青物の十分な釣果はあるにはありましたが、釣り船でカモシ釣りが主流で、アンカーカセは出るには出てましたが、カセ釣りでは特筆するほどの釣果の状況では無かったと思います。
そんな中、須江でカセ釣りがスタートするわけですが、個体数が圧倒的に多い須江地区の釣果は、やっぱり圧倒的でした。というわけで、イワシフカセの青物釣りは須江を中心に人気が爆発しました。近年の串本の青物狂騒曲は、ここがスタートですね。
僕の青物釣りは、2017年から2018年は浦見の掛かりばかりでした。
僕が常用している大島フィッシングでは浦見の掛かりは釣り船を使うので、釣り方は、船頭推奨のカモシ釣り(天秤フカセ)が主流だったんですが、僕は、「天秤は面白くないからフカセでやらせて」とお願いして、一人磯竿をブン曲げて楽しんでました。笑
青物の豊富な生息量は、釣り客の増加につながり、釣り客の増加はマキエの増加につながり、釣り方の精度も上がって、ついには、この釣りを「数釣り」に変えてしまったと思いました。(倍々ゲームと言った感じ)
「魚釣りの難しさは、魚を釣るだけ以外の所にある」(海信語録)
最近では、釣れすぎるので、「ブリはもうエエわ」、こんなことを言う人が次から次と出てくるようになっているわけですが、僕の見立てでは、そんな事を言っている人の大半が、(ブリ、メジロの)生息量におんぶにだっこで釣っているだけなので、「大丈夫かな」とか、ちょっと思うんですけどね。(思うだけです、口に出したら「余計なお世話」ですね。笑)
ほぼ確実に、「先々で、思うように釣れない時代が来る」、これは間違いないと思うんです。
色々な地方地域で色々な魚が、こういうお祭り状態で釣れまくることはよくある話ですが、何年も何十年も同じような感じで釣れ続くという話は聞いたことが無いです。どちらかというと、「昔は、簡単に、誰がやってもアホみたいに釣れたのに」というような話ばかりで、串本のカセ釣りの青物も、そのうち、こうなる(釣るのが難しくなる)と、僕は思ってるんです。
だから、どうやっても釣れるこのタイミングで「色々と試しておかないと」と僕は考えていたし、「魚を釣るだけ」という簡単なことで、他の釣り客との差別化も、かなり難しいと感じてました。
「個性や特徴を出すことで、『人とは違うイワシフカセの青物釣り』、を表現する必要がある」
魚釣りって言うのは、魚を釣るだけなら簡単なんですが、こう言う所は、本当に難しいと感じます。
個性を出す
「青物釣りで、個性を出す」
これは本当に、結構な難題でした。
仕掛けはフロロの通し仕掛けで針一本の、これ以上ないくらいにシンプルな仕掛けで、サシエもマキエも冷凍イワシで、オモリは使っても、せいぜい割玉オモリ1個、なので、仕掛けで個性を出すってのは、ちょっと無理があると思いました。
ブリ、メジロ以外に、特筆ものとして狙えるターゲットとしては、脱走マグロは確かにありますが、釣っても表に出せないターゲット(脱走マグロは釣り禁止が大原則)は、インターネットで情報展開している僕の場合、「あまり意味がないターゲット」となるし、サワラやカンパチのような美味しいターゲットも当たっては来ますが、そもそも、ブリ、メジロの異常な生息量に乗っかって釣りをするので、ブリ、メジロをターゲットの中心に持ってこないことは、それこそ、現実的ではないと思いました。
色々考えると、「やっぱり僕の個性となると、磯竿のブン曲げ、これしかないな」、となります。
ただ、串本カセの青物釣りで磯竿のブン曲げとなると、オーシャン串本の大将が古くからやっているわけで、そのままやっては、僕は、単なる「二番煎じ」となります。
天邪鬼でクリエイターを自覚する人間にとって、二番煎じなんて許せないし、ありえないので、オーシャン串本の大将とは違う何かをアドオン(追加)して「俺の釣り」を作る必要があるわけですが、オーシャンの大将の釣りは、結構な切れ味で、技量的にもかなりハイレベルで、彼の青物釣りの動画は、僕も何回も見返して、「エエなぁ、こう言う釣りをしたい」と常々思っていたし、「いやぁ、難しいな」でした。
色々と考えて、僕の場合は巨大イズスミを狙う釣りがあるし、ターゲットを青物だけに絞らずパンチのあるヤツはナンでもOKにして、僕の本来の理想形「愛竿の限界手前(極限)の弧を描く」ことにフォーカスして、それを、「串本大島カセ釣りレッドゾーン」と題して、自分の釣りを表現することにしました。
「レッドゾーン」という表現は、シマノのビッグゲーム系のプロモーションにあったキャッチコピーからパクりました。(「磯釣りのレッドゾーンへ」って表現がカッコよすぎて、「俺もやりてぇ」「これしかない」でした。笑)
かくして、カセ釣りレッドゾーンは、イワシエサで夏場のモンスター狙い、冬場は青物相手で「磯竿の剛竿をブン曲げることを旨とする釣り」になるわけです。
ただ、「ブン曲げを旨とする」という部分には、「大きな誤算」が隠れていました。
この誤算は、次章で詳述しますが、この時点では、全く見えて無かったですね。
- カセ釣り奮闘記・10年間の串本のカセ釣り(第一章:グレ釣り その1)
- カセ釣り奮闘記・10年間の串本のカセ釣り(第一章:グレ釣り その2)
- カセ釣り奮闘記・10年間の串本のカセ釣り(第一章:グレ釣り その3)
- カセ釣り奮闘記・10年間の串本のカセ釣り(第二章:カセ釣りレッドゾーン その1)
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